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日本民藝館は,民藝(民衆的工藝)の美の認識の普及と,新しい生活工藝の振興を目指す民藝運動の本拠地として,民藝運動の創始者で宗教哲学者であった柳宗悦 (Yanagi Soetsu, 1889-1961)を中心とする同志により企画され,大原孫三郎をはじめとする有志の援助のもとに,1936年(昭和11)10月に開館した。
3ヶ月ごとに陳列替えを行い,館蔵品を中心に常時約500点を公開。陳列室は企画展の会場となる新館大展示室と,木造2階建ての本館展示室7つからなり,1階は日本古陶磁,外国諸工芸品,日本の染織品を紹介,2階では李朝工芸,日本木漆工,絵画,そして上記個人作家作品を紹介している。本館の向い側にある西館(旧柳宗悦邸)には,栃木から明治初期の石屋根の長屋門が移築されている。
日本民藝館の仕事 民藝館の使命は美の標準の提示にある。その価値基準は「健康の美」「正常の美」にある。美の理念として之を超えるものはない。かかる一貫した美の目標の下に個々の品物を又全体を整理することは極めて重要な仕事と思はれる。云ふまでもなく,かかる標準を最初から理論で組み立てるべきではなく,深く直感に根差すべきなのはもとよりである。ここで民俗博物館との差異が起る。後者は直感に基く美的価値を中心とする美術館ではない。民藝館は単なる陳列場ではない。
従つて列べ方も事情の許す限り物の美しさを活かすやうに意を注いである。品物は置き方や,列べる棚や,背景の色合や,光線の取り方によつて少からぬ影響を受ける。陳列はそれ自身一つの技藝であり創作であつて,出来得るなら民藝館全体が一つの作物となるやうに育てたいと思ふ。とかく美術館は冷たい静止的な陳列場に陥り易いのであるから,もつと親しく温い場所にしたいといつも念じてゐる。 初代館長柳宗悦「日本民藝館案内」より。
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